【CRI時評】覇権主義を握りしめた米国にロシアとの関係改善は難しい 印刷
2018年 7月 18日(水曜日) 10:18

トランプ米大統領とプーチン露大統領が16日、フィンランドの首都ヘルシンキで、初の首脳会談を行いました。双方はフィンランド大統領府で非公開の会談を行った後、「会談は建設的なものであった」と示しました。結局のところ、双方の関係悪化が続くことは、米露双方の利益に合致しないのです。

首脳会談を控える中、米国では「ロシアゲート」疑惑の調査が急加速し、米司法省は2016年の大統領選において民主党のパソコンシステムにハッキングしたとして12人のロシア人スパイを起訴しています。これをきっかけに多くの米高官が米露首脳会談の実施に反対しました。しかし、トランプ大統領はこの声を顧みることなく、フィンランド入りしました。トランプ大統領がプーチン大統領との会合に熱を入れている理由はいくつあるようです。まず、今年11月の中期選挙のためのプロモーションという目的です。また、プーチン大統領を通じてNATO諸国にプレッシャーを与えることで、軍事費などの問題における米国のカードを増やそうとしているとの見方もあります。

一方、プーチン大統領にとっては、トランプ大統領との会談はウクライナ危機によって陥った西側諸国との膠着した局面を打開する試みとなります。

このように、双方の意思は一致したようです。それでは、今回の首脳会談は、実際のところ氷点にまで落ち込んだ米露両国の関係を救い出すことができるのでしょうか。

現状、米露両国の間には、お互いへの不信感をもたらす要素がより強く存在しています。この不信感は冷戦に由来するもので、冷戦の終結によって解消されるものではありませんでした。冷戦が終わった後で、歴代アメリカ政府は一貫してロシアの戦略的空間の抑圧を目的とする政策を執ってきました。

また、国際秩序においてロシアは世界の多極化の進展を主張していますが、米国には世界のボスという地位を手放す気はありません。また、経済面でロシアは自由貿易と多国主義を主張しており、この点でも、米国の貿易保護主義と一国主義との相違がますます大きなものとなっています。

このことから、米国がロシアとの関係改善を望んでいたとしても、まずはその覇権主義と一国主義を放棄することがなければ、たとえ首脳会談が何回行われようとも米露関係を救うことは難しいでしょう。