中国、米国産大豆への依存度削減に向け輸入先を拡大 印刷
2018年 8月 15日(水曜日) 09:38

中国は世界最大の大豆の輸入国であり、年間の輸入量は全世界の60%前後に達しています。このうち、米国からの輸入分は、米国全体の大豆の輸出分の60%にあたり、この数字は欧州連合(EU)向けの6倍以上となっています。

今年に入って米国が貿易戦を仕掛けたため、中国は対抗措置として米国産の大豆に25%の関税をかけ始めました。このため、1トンあたりの大豆の費用が700~800元上がり、ブラジル産のものより300元ほど高くなって、米国産の大豆は中国で競争力を失っています。

このまま中米間の貿易戦が続けば、中国は、南米や「一帯一路」の沿線各国からの輸入量を増やし、米国への依存度を落としていくとみられます。ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイなどの南米各国は、国土も広く土地も肥沃で、これからの増産も期待できます。またロシア、ウクライナ、カザフスタンなどの「一帯一路」の沿線国も、面積が広大なので、増産や輸出拡大の可能性を秘めています。たとえばロシアはここ3年間で大豆の輸出量が150%以上増えています。