【CRI時評】貿易戦争のエスカレートは問題解決に結びつかず 印刷
2018年 9月 20日(木曜日) 11:08

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17日、米政府は国内外の大多数の反対意見を無視する形で、24日から約2000億米ドルの中国製品に10%の追加関税を課すことを発表、さらにはその他の関税についてもアップグレードをはかるとした。これに対し、商務部の報道官は18日、談話を発表し、米国側の措置について「深く遺憾を表明」し、自国の正当な権益と世界の自由貿易の秩序を守るため、「同様の反撃を行わざるを得ない」とした。

米国の理性を欠いた決定は、中米貿易戦争をエスカレートに追い込むものだ。しかし、ちょうどこの数日前には、米側は中国側を次の貿易交渉に招き、中国側もこれを歓迎し、世界の市場もこれを好感したところだった。そして、である。ここにきて今度は米国が突然に約2000億米ドルの中国製品に追加関税を課す期日を発表した。これはどう見ても、中国に対し極限まで圧力を加えることで、交渉で更なる好条件を引き出そうとする意図によるものに他ならないだろう。これについて、中国側は、米側が追加関税に拘ることは、両国の交渉に新たな不確定性をもたらすものであり、米側にはこうした行為が引き起こすネガティブな影響に気づき、説得力のある手段で速やかに見直しを図ることを望むとの意見を発信した。

実際には、米政府が如何に気まぐれであろうとも、中国側は自らの問題を解決する能力と底力を有しており、国家の核心的利益と民衆の根本的利益を断固として守り、自由貿易と多国間体制を断固として守っていく覚悟でいる。

更に、今ここで米側が約2000億ドルの中国製品に追加関税を課すことは、米国の消費者にも影響を及ぼすものだ。これはブルームバーグ社も記しているが、米国が中国製品に仕掛ける今度の攻撃は、米国人の足の先から頭のてっぺんにまで影響が及ぶ可能性がある。それゆえ、米国商工会議所、全国小売業連合会、情報技術産業協会などの業界の代表と貿易の専門家は、米政府の「有害な関税政策」の継続的推進に反対する意見を発表している。ピーターセン国際経済研究所のアダム・ポーセン所長に至っては、トランプ政権の追加関税政策は必ずや失敗すると言い切るほどだ。

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また、中国が八月初旬に公表した約600億米ドルの米国製品に対し差別化税率を適用する決定(実施日は米国側の発動時期によるとした)には、理性的で抑制的、かつ自由度と正確性の高さが目立ち、その目的も民衆と企業に対する影響に考慮したものだった。同時に、中国側は米国側の発動時期によるとの発表を行い、その他の反撃措置を発表する権利を保留した。この表明は、米国側が如何なる動きに出ようとも、中国側は対応が可能であることを示すものだった。

他にも、今年上半期の中国の貿易依存度は33.7%にまで低下しており、そのうち対米貿易への依存度は4.6%に低下している。これは、中国の経済成長は国内消費と投資への依存を強めることを意味するものだ。同時に、中国は14億の人口をもつ巨大なマーケットと世界で最多の工業品目、そして大規模事業にリソースを集中することの可能な制度的強みと揺るがぬ対外開放戦略などを備えており、外界からの如何なるダメージにも耐え、自らの事業を継続していく能力を有しているのだ。

トランプ氏は、米国の大統領として、米国の労働者、農民、牧畜民、企業と国家の利益を守り抜く職責を担っている。もし仮にそうなのであれば、氏は米国の150の業界組織から寄せられた貿易戦争に反対を表明する公開書簡をよくよく読むべきであり、米国の80以上の業界組織が起こした「関税が米国の内陸を傷つける」デモの呼び声を聞くべきだろう。中米貿易の本質は互恵共栄であり、協力こそが唯一の正しいチョイスだ。トランプ大統領がもしも米国という国家、企業と民衆の利益を守ろうとするならば、一日も早く理性を欠いた決定を見直し、中米交渉による貿易戦争の解決に向けた誠意と善意を示すべきだろう。