イラクとイラン、行方不明者捜索の交渉開始 印刷
2010年 10月 29日(金曜日) 17:51

スイスのジュネーブで2日にわたって、イラクとイランの代表によりイラン・イラク戦争で行方不明となった人々の捜索に関する交渉が行われ、28日に終了しました。終戦後20年あまりが経ちますが、両国間のこのような交渉はこれが初めてです。

交渉は赤十字国際委員会の本部・ジュネーブで非公開で進められました。国際赤十字の責任者が28日に明らかにしたところによりますと、 1988年に戦争が終了して20年あまり経ちましたが、行方不明者の家族は依然その消息を知らずにいるということです。また、この責任者は「両国の交渉が 進展を遂げたことは、行方不明者の家族に希望をもたらした」とした上で、「国際赤十字社は両国政府の承諾と決意を、心より歓迎する」と話しました。

イランとイラクでは1980年から1988年にかけて戦争が勃発し、100万人を超える犠牲者が出ました。両国関係が緊迫していたことか ら、終戦後も、行方不明者の捜索活動は延期されたままでした。2008年に両国は戦争の行方不明者捜索ための協定を結び、その後の2年間で250体の遺骨 や2000人の資料が取り交わされました。(朱丹陽)