トヨタが立地する自動車王国は 徳川家康を輩出した武将のふるさと 印刷
2010年 7月 07日(水曜日) 23:20

北西部に広大な濃尾平野、その西部には低湿地が広がっている。海岸線は複雑で、知多半島と渥美半島が三河湾を囲んでいる。面積は5164平方㌔㍍、人口は約725万人。夏は高温多湿で蒸し暑く、冬は乾燥した晴天の日が多いが、「伊吹おろし」という乾燥した冷たい風が吹くと、体感温度が北日本並みに低下することもある。近畿地方と関東地方の中間に位置し、東京と大阪両方に向けた生産品の出荷に便利であることから、古くから交通の要所として機能してきた。また、江戸幕府の開祖である徳川家康をはじめとして、数多くの戦国武将を出した地域としても知られる。

 

産業面ではトヨタ自動車を筆頭とした自動車関連企業が数多く存在することで知られる。自然、モータリゼーションが日本でもっとも発達した地域でもあり、自家用車の保有台数は日本有数の高さを誇る。ちなみに、自動車産業が本格的に発展したのは高度経済成長期以降のことで、それ以前は一宮市を中心とした繊維産業などが盛んだった。自動車産業のほかの工業も活発で、尾張には航空宇宙産業関連の主要メーカーの生産拠点が集中している。中京工業地帯の中心であり、製造品出荷額は京浜工業地帯をしのいで日本一を誇る。

農林水産業も全域で盛んで、木曽川、長良川、揖斐川下流では米作が行われている。濃尾平野東部から知多半島にかけては、木曽川から取水する愛知用水を利用した近郊農業が盛んで、キャベツやブロッコリーなどは全国トップクラスの生産量を誇る。渥美半島でも豊川用水を利用した園芸農業が盛んで、温室メロンや照明によって開花期を遅らせた「電照菊」などが有名。畜産ではウズラの飼養数・産出額が日本一になっている。

名物としては、名古屋コーチン、きしめん、味噌カツ、天むす、エビセンなどが全国的に知られている。