常磐ものアワビ」復活へ 福島・いわき 印刷
2013年 7月 01日(月曜日) 00:00

各紙によれば福島県いわき市の沿岸部で1日、アワビの稚貝放流が3年ぶりに再開される。同市沿岸部は東京電力福島第一原発事故で漁の操業自粛が続いており、無事に育っても出荷できる保証はない。それでも、市場での評価が高かった“常磐ものアワビ”の復活に向けた一歩だけに、漁業者たちは「早期の操業再開につながれば」と期待している。同市漁協は約30年前から、アワビを市場に安定供給するため、県の種苗生産施設(大熊町)で育てた稚貝を放流してきた。震災前は年間約50万個を放流していたが、津波で種苗生産施設が壊滅状態となり、放流は中断。成長したアワビを取ることも、他の魚介類と同様、原発事故の影響で自粛を余儀なくされた。県や同市漁協は放流再開に向け、昨年3月、静岡県南伊豆町にある「水産総合研究センター増養殖研究所」に協力を要請。職員も派遣し、地元・小名浜産の卵をかえして育成した。今回放流する稚貝は2万個で、9月頃にさらに3万個を放流する予定だという。