地方経済天気図(12月) 印刷
2012年 12月 20日(木曜日) 16:01

2012122001

今月の総評

~内外需要の減少から生産が悪化し、景気は後退~

【北海道】

北海道の景況は、輸出が持ち直しているものの、生産活動が弱含むなど、横這い圏内の動き。

個人消費は、乗用車販売が普通・小型乗用車で減少したほか、大型小売店販売も衣料品を中心に振るわず、弱含み。住宅建築は、分譲住宅が減少したものの、持家、貸家が増加し、持ち直しの動き。設備投資は、エネルギー関連で投資計画を積み増す動きがみられるほか、医療・福祉関連に建替え・新築の動きがみられるなど、緩やかな持ち直し。公共工事は、下げ止まり。輸出は、ニュージーランド向けの石油製品が減少したものの、中東向けの鉄鋼、北米向けの自動車部品が増加し、持ち直しの動き。

生産活動は、金属製品、輸送機械が減少し、弱含み。

観光は、緩やかな持ち直しの動き。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、医療・福祉、建設業で新規求人数が増加するなど、持ち直しの動き。

先行きは、弱含みで推移するとみられている。


【東北】

東北の景況は、住宅建築が持ち直しているものの、個人消費が弱含み、設備投資が足踏みとなるなど、横這い圏内の動き。

個人消費は、大型小売店販売が衣料品を中心に振るわず、乗用車販売も普通・小型乗用車、軽乗用車ともに減少し、弱含み。住宅建築は、震災に伴う建替え需要から、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、緩やかな持ち直し。設備投資は、被災した建物・設備の復旧に伴う投資が一服し、足踏み。公共工事は、震災関連の復旧・復興工事が増加し、回復に向けた動き。輸出は、鉄鋼、一般機械、輸送機械が減少し、足踏み。

生産活動は、一般機械、電気機械、自動車部品が減少し、停滞。

観光は、温泉地、観光地への入込客が増加するなど、やや上向き。

雇用は、新規求人数が震災復旧・復興工事に伴い建設業で増加したものの、製造業の一部で離職者が増加するなど、足踏み。

先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。


【関東】

関東の景況は、住宅建築が持ち直しているものの、生産活動が低調、輸出が停滞するなど、弱含み。

個人消費は、大型小売店販売が衣料品を中心に振るわなかったほか、乗用車販売も普通・小型乗用車が減少し、弱含み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、緩やかな持ち直し。設備投資は、製造業で投資計画に慎重姿勢がみられ、足踏み。公共工事は、都県が減少したものの、国、独立行政法人等、市町村が増加し、一進一退。輸出は、鉄鋼、自動車が減少するなど、停滞。

生産活動は、一般機械、電気機械が減少し、低調。

観光は、温泉地の宿泊客数が減少するなど、盛り上がりを欠く。

雇用は、製造業を中心に新規求人数が伸び悩むなど、足踏み。

先行きは、弱含みで推移するとみられている。


【甲信越】

甲信越の景況は、個人消費が停滞、生産活動が悪化するなど、低調。

個人消費は、大型小売店販売が食料品、衣料品で振るわなかったほか、乗用車販売も普通・小型乗用車が減少し、停滞。住宅建築は、分譲住宅が減少したものの、持家、貸家が増加し、足許増加。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられ、緩やかな持ち直し。公共工事は、県が増加するなど、一進一退。輸出は、化学製品、輸送用機械が増加し、足許増加。

生産活動は、一般機械、電気機械、輸送機械が減少し、悪化。

観光は、宿泊客数が減少するなど、盛り上がりを欠く。

雇用は、新規求人数が増加したものの、有効求人倍率が横這いとなるなど、持ち直しの動きが一服。

先行きは、低調に推移するとみられている。


【北陸】

北陸の景況は、輸出が弱含み、個人消費が低調となるなど、弱含み。

個人消費は、乗用車販売が普通・小型乗用車で減少したほか、大型小売店販売も食料品、衣料品が振るわず、低調。住宅建築は、分譲住宅が減少したものの、持家、貸家が増加し、一進一退。設備投資は、投資計画を縮小する動きがみられ、弱含み。公共工事は、国、市町村が増加するなど、下げ止まり。輸出は、地場産業の眼鏡枠・眼鏡が減少するなど、弱含み。

生産活動は、医薬品が高水準を持続したものの、鉄鋼、プラスチック製品が減少するなど、横這い圏内の動き。

観光は、温泉地の宿泊客数が伸び悩むなど、盛り上がりを欠く。

雇用は、医療・福祉、卸・小売業で新規求人数が増加したものの、有効求人倍率が低下するなど、足踏み。

先行きは、弱含みで推移するとみられている。


【東海】

東海の景況は、個人消費が弱含み、生産活動が停滞するなど、弱含み。

個人消費は、大型小売店販売が減少したほか、乗用車販売も普通・小型乗用車が減少し、弱含み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、上向き。設備投資は、投資計画に慎重姿勢がみられるなど、足踏み。公共工事は、国、都道府県を中心に増加し、下げ止まり。輸出は、自動車部品が増加したものの、一般機械、自動車が減少し、横這い圏内の動き。

生産活動は、一般機械、輸送機械が減少するなど、停滞。

観光は、温泉地・観光地の入込客数が振るわず、足踏み。

雇用は、現金給与総額が減少したほか、有効求人倍率も低下したものの、全体では横這い圏内の動き。

先行きは、弱含みで推移するとみられている。


【近畿】

近畿の景況は、個人消費、生産活動が停滞、輸出が低調となるなど、停滞。

個人消費は、大型小売店販売が衣料品、食料品を中心に減少したほか、乗用車販売も普通・小型乗用車が減少し、停滞。住宅建築は、分譲住宅が減少したものの、持家、貸家が増加し、上向き。設備投資は、中小企業で慎重な姿勢がみられ、弱含み。公共工事は、国、独立行政法人等が増加するなど、緩やかな持ち直し。輸出は、半導体が減少するなど、低調。

生産活動は、鉄鋼、一般機械、輸送機械が減少するなど、停滞。

観光は、観光地の入込客数が減少したものの、ホテルの宿泊客数が増加するなど、一進一退。

雇用は、有効求人倍率が低下したほか、所定外労働時間が減少するなど、厳しさが増す。

先行きは、 停滞基調で推移するとみられている。


【中国】

中国の景況は、生産活動が弱含み、輸出が低調となるなど、弱含み。

個人消費は、乗用車販売が普通・小型乗用車、軽乗用車ともに減少したほか、大型小売店販売も衣料品を中心に振るわず、弱含み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、増加傾向。設備投資は、製造業で投資計画に慎重姿勢がみられるなど、足踏み。公共工事は、独立行政法人等が増加したものの、市町村が減少し、横這い圏内の動き。輸出は、鉄鋼、自動車が減少し、低調。

生産活動は、自動車、化学が減少し、弱含み。

観光は、温泉地、観光地への入込客数が振るわず、低調。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、卸売業、小売業で新規求人数が増加するなど、緩やかな改善の動き。

先行きは、弱含みで推移するとみられている。


【四国】

四国の景況は、個人消費、生産活動が弱含み、輸出が足踏みとなるなど、弱含み。

個人消費は、大型小売店販売が衣料品、食料品を中心に減少したほか、乗用車販売も普通・小型乗用車、軽乗用車ともに減少し、弱含み。住宅建築は、分譲住宅が減少したものの、持家、貸家が増加し、やや上向き。設備投資は、製造業を中心に投資計画を積み増す動きがみられ、緩やかな持ち直し。公共工事は、独立行政法人等が減少したものの、国、市町村が増加し、緩やかな持ち直し。輸出は、鉄鋼、船舶などが減少し、弱含み。

生産活動は、一般機械、化学が減少し、弱含み。

観光は、観光地の入込客数が振るわず、盛り上がりを欠く。

雇用は、医療・福祉で新規求人数が増加したものの、有効求人倍率が横這いとなるなど、足踏み。

先行きは、弱含みで推移するとみられている。

 

【九州】

九州の景況は、住宅建築が上向いたものの、生産活動が弱含むなど、横這い圏内の動き。

個人消費は、大型小売店販売が衣料品を中心に減少したほか、乗用車販売も普通・小型乗用車が減少し、弱含み。住宅建築は、分譲住宅が減少したものの、持家、貸家が増加し、やや上向き。設備投資は、製造業、非製造業ともに慎重な動きがみられるなど、弱含み。公共工事は、独立行政法人等、市町村が増加し、上向き。輸出は、中国向けの自動車、台湾向けの半導体製造装置が減少し、足踏み。

生産活動は、電気機械、輸送機械が減少し、弱含み。

観光は、観光地・温泉地の入込客が振るわず、盛り上がりを欠く。

雇用は、飲食業、建設業で新規求人数が増加したものの、有効求人倍率が低下するなど、持ち直しの動きが一服。

先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。


【沖縄】

沖縄の景況は、住宅建築が上向き、公共工事が持ち直すなど、緩やかな持ち直し。

個人消費は、スーパー販売が衣料品、食料品を中心に減少したほか、乗用車販売も普通・小型乗用車が減少し、持ち直しの動きが一服。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、上向き。設備投資は、建築着工床面積が増加し、やや上向き。公共工事は、国、市町村が増加し、緩やかな持ち直しの動き。輸出は、石油製品、金属鉱およびくずが減少し、やや弱含み。

生産活動は、横這い圏内の動き。

観光は、国内客が増加したものの、中国などの外国人客が減少するなど、持ち直しの動きが一服。

雇用は、完全失業率が改善したものの、有効求人倍率が横這いとなるなど、一進一退。

先行きは、持ち直しの動きが続くとみられている。

 

 

取材協力 一般社団法人全国地方銀行協会