地方経済天気図(2015年1月) 印刷
2015年 1月 27日(火曜日) 23:59

2015年1月地方経済の状況

【 総評 】 〜消費関連の回復が遅れ、生産も力強さを欠き、足踏み〜

【 北海道 】

北海道の景況は、公共工事が減速傾向にあるものの、設備投資、観光が持ち直すなど、緩やかな持ち直し

個人消費は、乗用車販売が減少したものの、大型小売店販売、コンビニエンスストア販売が増加し、緩やかな持ち直し。住宅建築は、貸家、分譲住宅が増加したものの、持家が減少し、弱含み。設備投資は、製造業でライン新設、サービス業(ホテル等)で客室改善がみられるなど、持ち直し基調。公共工事は、独立行政法人等が増加したものの、県、道、市町村が減少し、減速傾向。輸出は、ニュージランド向けの石油製品が減少したものの、マレーシア鉄鋼、韓国向けの化学製品が増加し、拡大基調。

生産活動は鉄鋼が増加したものの、窯業・土石製品、輸送機械が減少し、横ばい圏内の動き

観光は、外国人客を中心に来道者数が増加し、回復。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、製造業、建設業で新規求人数も増加するなど、緩やかな回復。

先行きは、緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 東北 】

東北の景況は、輸出、公共事業が持ち直したものの、個人消費が低調になるなど、一進一退

個人消費は、乗用車販売の減少したほか、百貨店販売で衣料品が減少するなどし、低調。住宅建築は、持ち家が減少したものの貸家、分譲住宅が増加し、足許増加。設備投資は、需要の先行き不透明感から、一部に投資抑制姿勢がみられるなど、伸び悩み。公共工事は、復興住宅建築の本格化に伴い、独立行政法人等が増加するなど、持ち直し。輸出は、一般機械、金属鉱およびくずが増加し、持ち直しの動き。

生産活動は、情報通信機器が増加したもの、化学が減少するなど、足踏み。

観光は、観光地への入込客が増加し、やや上向き。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、製造業、宿泊業・飲食サービス業で新規求人数が増加するなど、緩やかな回復に向けた動き。

先行きは、緩やかな持ち直しに向かうとみられている。

【 関東 】

関東の景況は、住宅建築が低調となったものの、輸出が上向き、生産活動が持ち直すなど、やや上向き。

個人消費は、乗用車販売が減少したものの、スーパー販売で食料品、百貨店販売でインバウンド効果から化粧品や衣料品が増加したほか、コンビニエンスストア販売も増加するなど、一部に持ち直しの動き。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも減少するなど、低調。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられるものの、総じて横ばい圏内の動き。公共工事は、国、独立行政法人等が増加したものの、市町村が減少し、横ばい圏内の動き。輸出は、半導体等製造装置、科学光学機器が増加し、やや上向き。

生産活動は、電子部品・デバイス、化学が増加するなど、緩やかな持ち直し。

観光は、観光地への入込数が増加するなど、上向き。

雇用は、有効求人倍率が上昇位したほか、運輸業、宿泊・飲食サービス業などで新規求人数が増加し、持ち直し。

先行きは、緩やかな持ち直しに向かうとみられている。 

【甲信越 】

甲信越の景況は、住宅建築が低調となったものの、設備投資、輸出が持ち直すなど、緩やかな持ち直しの動き

個人消費は、乗用車販売が減少したほか、大型小売店販売も衣料品、高額品が減少するなど、足踏み。住宅建築は、持家が減少し、低調。設備投資は、医療・介護関連施設で堅調に推移しているほか、工場・店舗なども動きがみられるなど、持ち直し。公共工事は、独立行政法人等、県が減少するなど、減少傾向。輸出は、韓国、中国向けの紙類および同製品が増加し、緩やかな持ち直し。

生産活動は、電気機械が増加したものの、金属製品、情報通信機機械が減少し、足踏み。

観光は、宿泊施設、温泉施設の入込客振るわず、盛り上げりを欠く。

雇用は、製造業、建設業で新規求人数が増加するなど、持ち直しの動き。

先行きは、緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

 


【 北陸 】

北陸の景況は、生産活動が持ち直しているものの、住宅建築が弱含み、公共工事が減少傾向にあるなど、持ち直しの動きが一服

個人消費は、大型小売店販売が飲食料品を中心に増加したものの、乗用車販売が減少し、一進一退。住宅建築は、貸家が増加したものの、持家、分譲住宅いずれも減少し、弱含み。設備投資は、需要の先行き不透明感から、一部に投資抑制姿勢がみられるなど、伸び悩み。公共工事は、独立行政法人等、市町村が減少するなど、減少傾向。輸出は、地場産業の眼鏡・眼鏡枠が増加したほか、一般機械、電気機器、科学光学機器が増加し、上向き。

生産活動は、医薬品が高水準の生産を持続したほか、電気機械が増加するなど、緩やかな持ち直し。

観光は、温泉地の入込客が振るわず、盛り上がりを欠く。

雇用は、製造業、建設業、サービス業など幅広い業種で新規求人数が増加するなど、持ち直し。

先行きは、基調は緩やかな持ち直しに向かうとみられている。

【 東海 】

東海の景況は、住宅建築が低調になったものの、生産活動が上向き、設備投資が持ち直すなど、やや上向き。

個人消費は、大型小売店販売が衣料品を中心に減少し、乗用車販売も普通・小型乗用車が減少するなど、弱含み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも減少するなど、低調。設備投資は、一部に投資計画を積み増す動きがみられるなど、緩やかな持ち直し。公共工事は、県、市町村が減少するなど、弱含み。輸出は、電気機械、科学光学機器が増加するなど、上向き。

生産活動は、鉄鋼、電気機械が増加するなど、やや上向き。

観光は、観光地の入込客数が振るわず、足踏み。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、所定労働時間も増加するなど、緩やかながら回復の動き。

先行きは、緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。


【 近畿 】

近畿の景況は、輸出が回復に向けた動き、設備投資が持ち直しているものの、住宅建築が弱含むなど、一進一退

個人消費は、乗用車販売が減少したものの、大型小売店販売で飲食料品を中心に増加するなど、一部に持ち直しの動き。住宅建築は、貸家が増加したものの、持家、分譲住宅が減少し、弱含み。設備投資は、大企業に加え、中小企業も投資計画を積み増す動きがみられるなど、持ち直し。公共工事は、国が増加したものの、府県、市町村が減少し、一進一退。輸出は、半導体等製造装置、科学光学機器が増加するなど、緩やかながら回復に向けた動き。

生産活動は、電気機械、金属製品が増加したものの、輸送機械が減少するなど、横ばい圏内の動き。

観光は、ホテルの客室稼働率が上昇するなど、持ち直し。

雇用は、有効求人倍率が上昇したものの、新規求人数が減少するなど、回復の動きが一服。

先行きは、緩やかな持ち直しに向かうとみられている。

【 中国 】

中国の景況は、個人消費が上向き、生産活動が持ち直しているものの、住宅建築が弱含むなど、持ち直しの動きが一服

個人消費は、乗用車販売が減少したものの、大型小売店販売が増加するなど、やや上向き。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅しずれも減少し、弱含み。設備投資は、大型製造業を中心に投資計画を積み増す動きがみられるものの、一進一退。公共工事は、国が増加したものの、独立行政法人等、県が減少し、横ばい圏内の動き。輸出は、半導体等製造装置が増加したものの、自動車が減少するなど、横這い圏内の動き。

生産活動は、電気機械、電子部品・デバイスが増加し、緩やかな持ち直し。

観光は、温泉地、観光地の入込客数が減少するなど、盛り上がりを欠く。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、所定外労働時間が増加するなど、回復に向けた動き。

先行きは、緩やかな持ち直しに向かうとみられている。

【 四国 】

四国の景況は、設備投資が持ち直しているものの、住宅建築、公共工事が弱含むなど、持ち直しの動きが一服

個人消費は、大型小売店販売で食料品を中心に増加したものの、乗用車販売が減少し、一進一退。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも減少し、減少基調。設備投資は、製造業で投資計画を積み増す動きがみられ、持ち直し。公共工事は、国、県が減少し、弱含み。輸出は、鉄鋼、輸送用機器が増加するなど、やや上向き。

生産活動は、金属製品、化学が増加したものの、輸送機械が減少し、横這い圏内の動き。

観光は、ホテルや旅館の宿泊客数が増加するなど、上向きの兆し。

雇用は、現金給与総額が増加したものの、建設業、医療・福祉などで新規求人数が減少し、回復に向けた動きが一服。

先行きは、緩やかな持ち直しに向かうとみられている。

【 九州 】

九州の景況は、住宅建築が弱含んでいるものの、輸出、生産活動が持ち直すなど、緩やかな持ち直しの動き

個人消費は、乗用車販売が減少したものの、大型小売店販売で衣料品、食料品が増加するなど、一部に持ち直しの動き。住宅建築は、分譲住宅が増加したものの、持家、貸家が減少し、弱含み。設備投資は、電気自動車関連、非製造業で大型不動産などの投資計画を積み増す動きがみられ、緩やかな持ち直し。公共工事は、独立行政法人等、県、市町村が減少するなど、減少傾向。輸出は、一般機械、台湾向けの自動車が増加するなど、緩やかな持ち直しの動き。

生産活動は、電気機械、電子部品・デバイスが増加するなど、やや上向き。

観光は、宿泊施設の入込客が振るわず、盛り上がりを欠く。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、所定外労働時間、現金給与総額が増加するなど、緩やかな持ち直し。

先行きは、緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 沖縄 】

沖縄の景況は、個人消費、観光が回復に向けた動きにあるなど、拡大

個人消費は、百貨店販売、スーパー販売ともに食料品を中心に増加したほか、乗用車販売も増加するなど、回復に向けた動き。住宅建築は、分譲住宅が増加したものの、持家、貸家が減少し、足元一服。設備投資は、建築着工床面積が増加するなど、足元増加。公共工事は、国が増加したものの、独立行政法人等、県、市町村が減少する、横這い圏内の動き。輸出は、一般機械、石油製品が減少するなど、足許減少。

生産活動は、横這い圏内の動き。

観光は、国内客、外国人客ともに増加し、好調。

雇用は、有効求人倍率が上昇するなど、回復に向けた動き。

先行きは、拡大の動きが続くとみられている。 

協力:一般社団法人全国地方銀行協会