地方経済天気図(2016年1月) 印刷
2016年 1月 17日(日曜日) 15:37

【 総評 】  〜輸出、生産に弱さがみられ、足踏みが続いている~

【 北海道 】

北海道の景況は、生産活動が横ばい、公共工事が低調となったものの、個人消費が持直し、輸出が好調に推移するなど、緩やかな持ち直し

個人消費は、百貨店販売において暖冬の影響から冬物衣料が減少したものの、スーパー販売、コンビニエンスストア販売が増加するなど、緩やかな持ち直し。住宅建築は、貸家が減少したものの、持家が増加し、持ち直し基調。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられ、持ち直し基調。公共工事は、国、独立行政法人等、道が減少し、低調。輸出は、輸送機械、有機化合物が減少したものの、鉄鋼、一般機械などが増加し、好調に推移。

生産活動は、石油・石炭製品、金属製品が増加したものの、電気機械、鉄鋼が減少し、横這い圏内。

観光は、国内客に加え、アジアを中心とする外国人客が増加し、回復。

雇用は、有効求人倍率が上昇し、回復基調。

先行きは、緩やかな持ち直しが続くとみられている。

【 東北 】

東北の景況は、雇用情勢が回復に向けた動きにあるものの、個人消費、生産活動が弱含みとなるなど、持ち直しの動きが一服

個人消費は、百貨店販売、スーパー販売ともに減少したほか、乗用車販売も減少するなど、弱含み。住宅建築は、持家が増加したものの、貸家、分譲住宅が減少し、足踏み。設備投資は、需要の先行き不透明感から、一部に投資抑制姿勢がみられ、伸び悩み。公共工事は、独立行政法人等が減少したものの、国、県、市町村が増加し、横這い。輸出は、船舶、鉄鋼が増加したものの、金属鉱・くずなどが減少し、やや弱含み。

生産活動は、輸送機械、一般機械、電子部品・デバイスが減少し、弱含み。

観光は、暖冬による雪不足から、スキー場の営業ができないものの、他の観光地では入込客が増加するなど、総じて横這い。

雇用は、卸・小売業、医療・福祉、サービス業で新規求人数が増加するなど、回復に向けた動き。

先行きは、緩やかな持ち直しが続くとみられている。 

【 関東 】

関東の景況は、公共工事が上向きとなったものの、生産活動、住宅建築が足踏み、輸出も横這いとなるなど、持ち直しの動きが一服。

個人消費は、百貨店販売において冬物衣料が減少したほか、スーパー販売も減少するなど、弱含み。住宅建築は、分譲住宅が増加したものの、持家、貸家が減少し、足踏み。設備投資は、一部に投資抑制姿勢がみられるなど、弱含み。公共工事は、国が減少したものの、独立行政法人等、都県、市町村が増加し、上向き。輸出は、自動車、金属製品が増加したものの、一般機械、中国向け電気機械が減少し、横這い圏内。

生産活動は、鉄鋼が増加したものの、一般機械、電気機械が減少し、足踏み。

観光は、外国人客が増加し、好調を持続。

雇用は、有効求人数が上昇、現金給与総額も増加するなど、持ち直し。

先行きは、緩やかな持ち直しの動きが続くとみられているものの、海外経済の動向が懸念される。 

【甲信越 】

甲信越の景況は、住宅建築が増加したものの、個人消費が足踏み、輸出が低調となるなど、持ち直しの動きが一服

個人消費は、大型小売店販売において冬物衣料が減少したほか、乗用車販売も減少するなど、足踏み。住宅建築は、持家、貸家が増加し、足許増加。設備投資は、一部に投資抑制姿勢がみられ、伸び悩み。公共工事は、国、県が減少し、低調。輸出は、金属鉱・くず、自動車などが減少し、低調。

生産活動は、電子部品・デバイスが増加したものの、一般機械、情報通信機械が減少し、足踏み。

観光は、観光地への入込が増加し、緩やかな持ち直し。

雇用は、有効求人倍率が上昇し、製造業、運輸業、郵便業で新規求人数が増加し、持ち直し。

先行きは、緩やかな持ち直しに向かうとみられている。 

【 北陸 】

北陸の景況は、観光が持ち直したものの、個人消費が足踏み、輸出が弱含みとなるなど、持ち直しの動きが一服

個人消費は、乗用車販売が減少したほか、大型小売店販売も減少し、足踏み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも増加し、やや上向き。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられ、改善基調。公共工事は、県、市町村が増加し、足許増加。輸出は、一般機械、地場産業の眼鏡・眼鏡枠が減少し、やや弱含み。

生産活動は、医療品が高水準の生産を維持したものの、電気機械、金属製品が減少し、全体では横這い圏内。

観光は、外国人客を中心に、観光地への入込客が増加し、持ち直し。

雇用は、飲食・サービス業、宿泊業などで新規求人数が増加するなど、上向き。

先行きは、緩やかな持ち直しに向かうとみられている。

【 東海 】

東海の景況は、住宅建築が上向き、観光も持ち直したものの、個人消費が弱含み、生産活動が横這いとなるなど、持ち直しの動きが一服。

個人消費は、百貨店販売において冬物衣料が減少したほか、スーパー販売も減少するなど、弱含み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅がいずれも増加し、やや上向き。設備投資は、一部に投資計画を積み増す動きがみられるものの、横ばい圏内。公共工事は、国、県が増加したものの、独立行政法人等が減少するなど、弱含み。輸出は、半導体等電子部品が増加したものの、一般機械、化学製品などが減少し、足踏み。

生産活動は、石油・石炭製品などが増加したものの、一般機械、電子部品・デバイスが減少し、横這い圏内。

観光は、国内客に加え、外国人客が増加し、持ち直し。

雇用は、有効求人倍率が上昇、所定外労働時間も増加し、緩やかな回復。

先行きは、緩やかな持ち直しに向かうとみられている。 

【 近畿 】

近畿の景況は、観光が回復したものの、個人消費、輸出が弱含みとなるなど、足踏み

個人消費は、乗用車販売が減少したほか、百貨店販売において暖冬の影響から冬物衣料、食料品ともに減少するなど、弱含み。住宅建築は、持家、貸家が増加したものの、分譲住宅が減少するなど、一進一退。設備投資は、製造業で投資計画を積み増す動きがみられるものの、非製造業で投資抑制姿勢、全体では伸び悩み。公共工事は、国、市町村が減少するなど、弱含み。輸出は、鉄鋼が増加したものの、建設用・鉱山用機械、科学光学機器などが減少し、弱含み。

生産活動は、金属製品、化学が増加したものの、電気機械、鉄鋼が減少し、横這い圏内。

観光は、観光地、温泉地への入込数が増加し、回復。

雇用は、有効求人倍率が上昇し、所定外労働時間も増加するなど、緩やかに改善。

先行きは、緩やかな持ち直しに向かうとみられている。

【 中国 】

中国の景況は、住宅建築が上向き、設備投資が改善したものの、輸出が弱含み、生産活動も横這いとなるなど、横這い圏内

個人消費は、乗用車販売、大型小売店販売ともに減少するなど、足踏み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いいずれも増加し、やや上向き。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられ、やや改善。公共工事は、国、県、市町村いいずれも増加し、上向き。 輸出は、輸送機械が増加したものの、電気機械、鉄鋼が減少し、弱含み。

生産活動は、電子部品・デバイスが増加したものの、一般機械、鉄鋼が減少し、全体では横這い。

観光は、温泉地、観光地への入込客が増加するなど、やや上向き。

雇用は、有効求人倍率が上昇、所定外労働時間も増加するなど、やや上向き。

先行きは、緩やかな持ち直しに向かうとみられている。 

【 四国 】

四国の景況は、個人消費が足踏み、輸出が弱含んだものの、住宅建築が増加し、観光が上向くなど、緩やかな持ち直し

個人消費は、百貨店販売およびスーパー販売において冬物衣料などの季節関連商品振るわず、足踏み。住宅建築は、持家、貸家が減少したものの、分譲住宅が増加し、足許増加。設備投資は、大手製造業で投資計画を積み増す動きがみられるものの、横這い圏内。公共工事は、県が増加したものの、県、市町村が減少し、足許減少。輸出は、船舶、石油製品が減少し、弱含み。

生産活動は、金属製品、化学製品が増加したものの、一般機械、電気機械が減少し、足踏み。

観光は、観光地、温泉地への入込客が増加し、上向き。

雇用は、有効求人倍率が上昇、現金給与総額も増加するなど、改善基調。

先行きは、緩やかな持ち直しが続くとみられている。

【 九州 】

九州の景況は、生産活動が弱含み、公共工事が低調となったものの、住宅建築、観光が持ち直すなど、緩やかな持ち直し

個人消費は、乗用車販売が減少したほか、百貨店販売も暖冬の影響から冬物衣料が減少するなど、足踏み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも増加し、やや上向き。設備投資は、需要の先行き不透明感から、一部に投資抑制姿勢がみられ、弱含み。公共工事は、国、市町村が減少し、低調。輸出は、船舶が増加したものの、中国向けの電気機械、一般機械が減少し、横這い。

生産活動は、一般機械、電子部品・デバイスが減少し、弱含み。

観光は、世界遺産登録効果に加え、外国人観光客も増加するなど、上向き。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、現金給与総額も増加し、改善。

先行きは、緩やかな持ち直しが続くとみられているものの、海外経済の動向が懸念される。 

【 沖縄 】

沖縄の景気は、個人消費が持ち直し、観光が好調に推移するなど、拡大

個人消費は、乗用車販売が減少したものの、百貨店販売、スーパー販売ともに増加するなど、持ち直し。住宅建築は、貸家が減少したものの、持家、分譲住宅が増加し、上向き。設備投資は、貨物車販売が減少したもの、建築着工床面積が増加したものの、横這い圏内。公共工事は、独立行政法人等が増加したものの、国、県、市町村が減少し、足許減少。輸出は、金属鉱・くずが減少したものの、再輸出品、一般機械、輸送機械増加し、持ち直し。

生産活動は、金属製品、食料品、パルプ・紙・紙製品が増加したものの、窯業・土石製品、プラスチック製品、鉄鋼が減少し、横這い圏内。

観光は、外国人客が増加し、好調を持続。

雇用は、現金給与総額が増加し、有効求人倍率も上昇し、緩やかな回復に向けた動き。

先行きは、拡大が続くとみられている。

 

協力:一般社団法人全国地方銀行協会