日韓鉄鋼大手訴訟 新日鉄住金の技術、ポスコ側が盗用否定 印刷
2012年 10月 25日(木曜日) 00:00

特殊な鋼板の製造技術を盗用されたとして、新日鉄住金が不正競争防止法に基づき、韓国の鉄鋼大手ポスコなどを相手に総額986億円の損害賠償と製造販売の差し止めを求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、東京地裁(高野輝久裁判長)であったと各紙が報じた。ポスコ側は答弁書の中で争う姿勢を示した。問題となった鋼板は「方向性電磁鋼板」で、電気を家庭に送るための変圧器に広く利用される。新日鉄住金によると、同社のシェアは約3割を占めるが、ポスコも04ー05年ごろから急激に品質を向上させ、現在のシェアは約2割という。訴状では、ポスコが旧新日鉄の元社員を通じて秘密の製造技術を不正に取得、製造したと主張。07年に韓国でポスコ元社員が中国メーカーに製造技術を流出させたとして逮捕された事件の裁判で「流出した技術はポスコが新日鉄から手に入れた技術」と証言したという。