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地方経済天気図(2018年10月) 印刷
2018年 10月 22日(月曜日) 19:36

2018年10月 地方経済の状況

【 総評 】  〜一部に災害の影響はみられるものの、持ち直しの動きが続いている~

【 北海道 】

北海道の景況は、設備投資が持ち直したものの、平成3 0年北海道胆振東部地震の影響により観光がやや弱含むなど、持ち直しの動きが減速。

個人消費は、地震の影響により、旅行キャンセルに伴うインバウンド消費の減少、余震・電力需給への懸念に伴う不要不急の支出手控えがみられる。住宅建築は、持家が減少したものの、貸家、分譲住宅が増加するなど、足許増加。設備投資は、観光客受入態勢強化に向けた投資着工がみられるなど、持ち直し。公共工事は、国、道、市町村が減少するなど、減少傾向。輸出は、ホタテガイが減少したものの、鋼管、塗料が増加するなど、底離れの動き。

生産活動は、地震に伴う停電により、操業停止やサプライチェーンの寸断などから製造業全般で減少するなど、弱含み。観光は、地震の影響により、観光入込客が減少するなど、やや弱含み。雇用は、有効求人倍率が上昇するなど、回復。

先行きは、地震災害の影響が懸念されるものの、緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 東北 】

東北の景況は、個人消費が弱含んだものの、設備投資、輸出が持ち直すなど、 緩やかな持ち直し。

個人消費は、乗用車販売が増加したものの、衣料品を中心に大型小売店販売が伸び悩むなど、弱含み。住宅建築は、貸家が減少したものの、持家、分譲住宅が増加するなど、足許増加。設備投資は、製造業で能力増強投資がみられるなど、緩やかな持ち直しの動き。公共工事は、独立行政法人等が減少したものの、国、県、市町村が増加するなど、足許増加。輸出は、繊維製品、輸送用機器が減少したものの、金属鉱・くず、一般機械が増加するなど、持ち直し。

生産活動は、電子部品・デバイス、電気機械が減少したものの、パルプ・紙・紙加工品、化学が増加するなど、概ね横這い。観光は、観光地や温泉地の入込客が伸び悩むなど、盛り上がりを欠く。雇用は、人手不足から有効求人倍率が高水準で推移するなど、回復に向けた動き。

先行きは、緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 関東 】

関東の景況は、公共工事が足許減少したものの、個人消費、輸出が持ち直すなど、回復。

個人消費は、ホームセンター販売が減少したものの、飲食料品や雑貨を中心に大型小売店販売が底堅く推移し、コンビニエンスストア販売が増加、乗用車販売も増加するなど、持ち直し。住宅建築は、貸家が減少したものの、持家、分譲住宅が増加するなど、概ね横這い。設備投資は、物流施設着工投資がみられるなど、持ち直し。公共工事は、独立行政法人等、都県、市町村が増加したものの、国が減少するなど、足許減少。輸出は、鉄鋼、一般機械が増加するなど、持ち直し。

生産活動は、鉄鋼、輸送機械が減少したものの、化学、電子部品・デバイスが 増加するなど、緩やかな持ち直し。観光は、外国人客を中心に宿泊施設の客室稼働率が高水準を維持するなど、緩やかな持ち直しの動き。雇用は、完全失業率が低下し、有効求人倍率が高水準で推移するなど、回復。

先行きは、回復の動きが続くとみられている。

【甲信越 】

甲信越の景況は、公共工事が弱含んだものの、設備投資、輸出が持ち直すなど、緩やかな持ち直し。

個人消費は、飲食料品や衣料品を中心に大型小売店販売が増加し、乗用車販売 も増加するなど、緩やかな持ち直しの動き。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも増加するなど、足許増加。設備投資は、製造業で工場新設投資や情報化投資、非製造業で情報化・省力化・合理化投資がみられるなど、持ち直し。公共工事は、独立行政法人等、県が増加したものの、国、市町村が減少するなど、弱含み。輸出は、紙類、プラスチック、一般機械が増加するなど、持ち直し。

生産活動は、パルプ・紙・紙加工品、輸送機械が減少したものの、プラスチック製品、一般機械が増加するなど、緩やかな持ち直しの動き。観光は、外国人宿泊客が増加するなど、上向き。雇用は、建設業や卸売業・小売業を中心に新規求人数が増加し、有効求人倍率が高水準を維持するなど、改善傾向。

先行きは、緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 北陸 】

北陸の景況は、公共工事が弱含んだものの、設備投資、輸出が持ち直しの動きとなるなど、緩やかな持ち直し。

個人消費は、飲食料品を中心に大型小売店販売が増加し、乗用車販売も増加するなど、緩やかな持ち直し。住宅建築は、貸家が増加したものの、持家、分譲住宅が減少するなど、足許減少。設備投資は、能力増強投資や省力化投資を積み増す動きがみられるなど、持ち直しの動き。公共工事は、県、市町村が増加したものの、北陸新幹線の大型工事の反動減から独立行政法人等が減少するなど、弱含み。輸出は、地場産業の眼鏡・眼鏡枠が増加するなど、緩やかな持ち直しの動き。

生産活動は、鉄鋼、金属製品、一般機械が減少したものの、繊維、プラスチック製品、電気機械が増加するなど、概ね横這い。観光は、観光地や温泉地への入込客が減少するなど、弱含み。雇用は、製造業や医療・福祉を中心に新規求人数が増加し、有効求人倍率が上昇するなど、改善。

先行きは、緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 東海 】

東海の景況は、個人消費がやや弱含んだものの、設備投資が持ち直しの動き、 生産活動が回復に向けた動きとなるなど、持ち直し。

個人消費は、乗用車販売が増加したものの、衣料品を中心に大型小売店販売が減少するなど、やや弱含み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも増加するなど、足許増加。設備投資は、中堅・中小企業で投資を積み増す動きがみられるなど、持ち直しの動き。公共工事は、配水設備や学校関連の大型工事が増加するなど、足許増加。輸出は、科学光学機器、二輪自動車が減少したものの、石油製品、一般機械が増加するなど、持ち直しの動き。

生産活動は、一般機械、輸送機械が減少したものの、化学、電子部品・デバイス、電気機械が増加するなど、回復に向けた動き。観光は、観光地や温泉地の入込客が減少するなど、弱含み。雇用は、製造業や宿泊業・飲食サービス業を中心に新規求人数が増加し、有効求人倍率が高水準で推移するなど、改善。

先行きは、持ち直しの動きが続くとみられている。

【 近畿 】

近畿の景況は、公共工事が弱含んだものの、輸出、生産活動が回復に向けた動きとなるなど、持ち直し。

個人消費は、衣料品を中心に大型小売店販売が減少したものの、ドラッグストア販売が増加し、乗用車販売も増加するなど、緩やかな持ち直しの動き。住宅建築は、持家が増加したものの、貸家が減少するなど、概ね横這い。設備投資は、 製造業・非製造業ともに投資を積み増す動きがみられるなど、緩やかな持ち直しの動き。公共工事は、独立行政法人等、市町村が減少するなど、弱含み。輸出は、石油製品、電気回路機器が増加するなど、回復に向けた動き。

生産活動は、繊維、鉄鋼が減少したものの、金属製品、一般機械が増加するな ど、回復に向けた動き。観光は、台風の影響などから入込客や宿泊客が減少するなど、弱含み。雇用は、有効求人倍率が高水準で推移し、現金給与総額が増加するなど、改善。

先行きは、持ち直しの動きが続くとみられている。

【 中国 】

中国の景況は、生産活動が弱含んだものの、住宅建築が足許増加、設備投資が持ち直すなど、緩やかな持ち直し。

個人消費は、衣料品を中心に大型小売店販売が減少したものの、乗用車販売が増加するなど、概ね横這い。住宅建築は、貸家、分譲住宅が増加するなど、足許増加。設備投資は、製造業で能力増強投資、非製造業で出店投資がみられるなど、持ち直し。公共工事は、国、市町村が減少するなど、足踏み。輸出は、鉄鋼、鉄道車両が増加したものの、化学製品、半導体等製造装置が減少するなど、弱含み。

生産活動は、窯業・土石製品が増加したものの、平成30年7月豪雨の影響により一般機械や自動車が減少するなど、弱含み。観光は、豪雨の影響により観光地や温泉地への入込客が減少するなど、弱含み。雇用は、医療・福祉を中心に新 規求人数が増加し、有効求人倍率が高水準で推移するなど、回復に向けた動き。

先行きは、豪雨災害の影響が懸念されるものの、緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 四国 】

四国の景況は、観光が弱含んだものの、個人消費、設備投資が持ち直しの動きとなるなど、回復。

個人消費は、化粧品や飲食料品を中心に大型小売店販売が底堅く推移し、ドラッグストア販売が増加、乗用車販売も増加するなど、持ち直しの動き。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも減少するなど、弱含み。設備投資は、製造業・非製造業ともに投資を積み増す動きがみられるなど、持ち直し。公共工事は、国、県が増加したものの、独立行政法人等、市町村が減少するなど、弱含み。輸出は、一般機械、輸送用機器が増加するなど、足許増加。

生産活動は、化学、一般機械が減少したものの、電気機械、輸送機械が増加するなど、緩やかな持ち直しの動き。観光は、豪雨や台風により観光地や温泉地への入込客が伸び悩むなど、弱含み。雇用は、有効求人倍率が高水準で推移し、現 金給与総額が増加するなど、回復。

先行きは、回復の動きが続くとみられている。

【 九州 】

四国の景況は、観光が弱含んだものの、個人消費、設備投資が持ち直しの動きとなるなど、回復。

個人消費は、化粧品や飲食料品を中心に大型小売店販売が底堅く推移し、ドラッグストア販売が増加、乗用車販売も増加するなど、持ち直しの動き。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも減少するなど、弱含み。設備投資は、製造業・非製造業ともに投資を積み増す動きがみられるなど、持ち直し。公共工事は、国、県が増加したものの、独立行政法人等、市町村が減少するなど、弱含み。輸出は、一般機械、輸送用機器が増加するなど、足許増加。

生産活動は、化学、一般機械が減少したものの、電気機械、輸送機械が増加するなど、緩やかな持ち直しの動き。観光は、豪雨や台風により観光地や温泉地への入込客が伸び悩むなど、弱含み。雇用は、有効求人倍率が高水準で推移し、現金給与総額が増加するなど、回復。

先行きは、回復の動きが続くとみられている。

【 沖縄 】

沖縄の景気は、住宅建築が足踏みしたものの、個人消費、観光が好調な動きにあるなど、好調。

個人消費は、百貨店販売が減少したものの、飲食料品を中心にスーパー販売が増加し、乗用車販売も増加するなど、好調。住宅建築は、分譲住宅が増加したものの、持家、貸家が減少するなど、足踏み。設備投資は、建築着工床面積が減少するなど、足踏み。公共工事は、市町村が増加したものの、国、独立行政法人等、県が減少するなど、足踏み。輸出は、一般機械、輸送用機器、再輸出品が減少するなど、弱含み。

生産活動は、プラスチック製品が増加したものの、食料品、窯業・土石製品が減少するなど、横這い。観光は、国内客・外国人客ともに増加するなど、好調。 雇用は、完全失業率が悪化したものの、有効求人倍率が上昇するなど、改善。

先行きは、好調が続くとみられている。

協力:一般社団法人全国地方銀行協会